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不妊処置

ベリーは生後14ヶ月の時に避妊手術を受けた。元々繁殖を考えていたわけではなく、まして予期せぬ妊娠に至らぬ前に不妊処置を行おうと思っていたのがその理由である。公園等で犬同士自由に遊ばせる機会の多いベリーだけに、事前に危険を回避させておくのは飼い主の使命と考えたからだ。不妊処置を施そうとした理由はそれだけではない。不妊処置をすることによって、特に雌犬にとって発生し易い子宮蓄膿症が100%予防でき、また、発症の危険が高い乳腺腫瘍の予防も出来るというベリーが我が家にやってくる前に仕入れた犬関連の書籍からの知識の影響も大であった。そこで機会を見て避妊手術を受けようと、飼い始めた時から考えていたことを実行にうつしたのである。

但し、この避妊手術は全く問題がないわけではない。ホルモンのバランスが崩れ、またその濃度も変化することから、肥満傾向が強まり、皮膚病にかかり易くなるという。ベリーは甲状腺の機能低下による皮膚炎に罹っていたこともあり、皮膚病の可能性に関してはかなり心配になった。また、雄の去勢手術と異なり、開腹手術ということでの危険性も考慮に入れておかなければいけない。それでも手術を実行に移したのは、ベリーの主治医に全幅の信頼を置いていたからに他ならない。ベリーが通い始めて以来、私の数々の心配事や不安をキチンとした説明で解消してくれてきたその経緯に敬意を払ったわけである。良い主治医に巡り合うという点も、避妊手術を行なう大切な要因だと思う。

それでも、術後のベリーは痛々しかった。患部を舐めないようにとエリザベスカラーが付けられていたので、余計元気がないように映った。獣医の説明では、ベリーの子宮は普通の犬と違い、かなり腎臓に近いところにあったらしく、手術は大変であったとのことだが、成功で、術後の経過も良好であるとのことであった。ただし、手術の影響で、以前から問題になっていた皮膚にはあちらこちら影響が出ているらしく、実際に顔や喉回りには湿疹が出ていた。患部を見ると、腹の毛が全部剃られてあり、縫合した箇所が赤く腫れ上がっていたので痛々しさが増幅された。

一週間後の抜糸までの経過であるが、最初の23日は多分相当痛かったのだろう、それこそ借りてきた猫のようにおとなしかった。また、首に付けているエリザベスカラーが行動の自由を奪っている点もあまり行動的になれない要因であったに違いない。しかし術後の合併症をふせぐためにと渡された4日分の薬が切れる頃から動きがかなり活発になってきた。今までじっと我慢していたエリザベスカラーを外そうともがき始め、実際、外したそれをストレス発散とばかり噛んだらしく、噛み跡がそこらじゅうに付いていた。散歩の時もここ数日とは違い、リードをグングン引っ張るようになった。傷の痛みも和らぎ、生活も日常を取り戻してきたのだろう。だいぶ赤味もとれ、腫れも減ってきた。また庭木の悪戯の跡もあった。この時ほど悪戯にほっとしたことはない。もう大丈夫、安心である。食欲も回復した。あれだけ食に貪欲だった犬があまり食べなかったので、私としてもかなり心配していたからである。

抜糸は、ピンセットで一本一本丁寧に糸を取り除く作業。傷口もきれいに直っていた。多少、糸の跡の赤味が残っているが、それもじきにひくとのこと。これでベリーの不妊治療は完了した。

雌に産まれてきて一度もお産の経験を積ませないという点に憐憫の情は正直言って多少ある。が、多産系の犬だけに、その処置に困るという現実を前にしたら、現実論として避妊は致し方ない行為であろう。ただ、当初の心配通り、その後のベリーはやや肥満傾向となった。でも、一年中、機会があればどんな犬とも自由に、受胎の危険なく遊べる体を手に入れたわけである。このことは、ベリーにとっても喜ばしいことであるに違いない。

1999-01-11


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