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犬の糞の正しい処理ルール?

街や公園を歩いていると、糞が放置されたままの光景を目にすることがある。全くもって残念なことである。放置された糞を踏んづけて地団太踏んだ思いも一度や二度ではない。これから建物の中に入らなければならない時などに踏んづけでもしたら、もう目の前が真っ暗になってしまう。仮に犬嫌いの方だったら、う〜ん、想像するだけでも恐ろしい。

飼い犬の糞を回収せず、そのまま放置する方々は、糞を踏んづけた、あの嫌な思いを経験したことがないのかしらん。多少なりとも想像力がおありなら、決して放置するなどということはしないと思うのだが。どちらにしても、こういった飼い主のせいで、他の犬の飼い主が白い目で見られることになる。従って、どうやったら糞の放置を無くすことが出来るかを考えてみることは、意義あることに違いない。

実は簡単なことなのである。公園や街に犬の糞専用のゴミ箱を設置すればいいだけである。堂々と糞の処理ができ、正直うっとうしいあの犬のお土産をすぐにでも手放すことができるなら、糞を回収する手間など惜しまないはずである(少なくとも現状よりは)。ところが現実はどうだろうか。公園のゴミ箱には犬の糞お断りと記されている。衛生上の点からだろうとの想像はつくが、簡単には捨てられない現実がある。仮に、こうしたことが糞の放置をもたらす遠因になっているのだとしたら、そちらの方がはるかに衛生上問題となる。

フランス人は、犬の散歩の時に、ゴミ袋を持っていかない方が多いらしい。確かにパリジェンヌにビニール袋は似合わないが、それも早朝に放水車が現れ、車道に落ちている糞を下水に流す行政システムが確立しているからだそうな。犬の糞を回収する公務員までいるとのこと。そこまでしろとは言わないが、糞を放置して平気な人がいる現実を考えた場合、モラルの高い人に基準を合わせろといっても残念だが現実的でない。ゴミ箱の設置で、放置糞が減少すれば、公衆の衛生向上にも役立つ。実際、ベルギーには犬の絵が描かれた犬の糞専用のゴミ箱があり、随分と役立っていると聞く。

何故、公園のゴミ箱に犬の糞を捨てることが出来ないのだろうか。これは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下廃棄物処理法)第六条第一項ないし第三項にある一般廃棄物の処理は市町村がその処理方法を計画し、政令で定めるとの条文に基づく。つまり、一般廃棄物(犬の糞含む)の処理ルールは市町村が決める権限を有しており、そのルールによっているからである。いくつかのドッグ・サイトにそのルールが記載されていたので、それらを参考にして記してみよう。東京都の場合である。犬の糞の正しい処理方とは、散歩途中でやった糞を自宅まで持ち帰り、トイレで流し、糞を包んだものは可燃ゴミとして規定の方法で処分するというものである。繰り返すが、自宅まで持ち帰り、自宅のトイレで流すのである。非常に面倒くさい処理方である。こんな面倒くさいやり方を、一体どれだけの方が実行されているのだろうか。

フランスの事例と比べること自体ナンセンスである。ベルギーの事例とも接点などない。なんでこんなルールとなったのであろうか。一つには行政独特の縦割りの発想があるからではないだろうか。公園や道路を管理する主体は別の組織、もしくは別の局ということで、ルールを策定する際、ゴミ箱による処理という選択肢などなかったのではないか。もう一つは廃棄物処理法第六条第四項に見て取れる。これは、自分の家で出たゴミは生活環境の保全上支障のない方法で容易に処分できるものは自ら処分するように努めようとの内容。この二つのことから、犬の糞の処理は各自が責任を持って自分の家のトイレに流しましょうとのルールが出来たと推測できるのである。

確かに糞を処理しない飼い主が悪い。しかし、衛生上必要なことだからといって、糞の処理をすべて飼い主だけに委ねる理想論ではだめで、もっと現実的かつ公共的な対応こそがこの問題の解決策として求められる。廃棄物処理法の目的は「廃棄物を適正に処理し、及び生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ること」と第一条にある。糞をそのまま放置するよりも、ゴミ箱にキチンと入れる方が公衆衛生の向上を図るという法の目的にも近づく。是非とも、糞公害を無くすため行政の横断的な取り組みに期待したいものである。

1999-12-11


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